弥生(三月)が訪れましたね。
暖かい日が時折やって来たりと、さすがに弥生(三月)の声を聞くと、風の匂いも変わって来たように感じます、まだまだ寒の戻りなるツワモノが待っておりますので、油断は大敵なのですが、寒の戻りが来ないと頭の良いサクラは花も咲かさないので、その日を乗り超えて春を待とうではありませんか。
さてそのサクラ、毎朝ミーティングを行う弊社の会議室のカレンダーが3月に変わり、今月のカレンダーの絵を遠くからボンヤリ眺めておりました。
その絵はつぼみをつけた桜の枝が一本、グラスに生けられてる優しい絵なのですが、遠目にVの頭文字から続く作者のサインが見え、それは私の浅い知識の中ではゴッホであり、その特徴的な筆のタッチでやっぱりゴッホかな?と思い、ミーティング後に近くへ行って確認すると、やっぱりそれはゴッホの絵でありました。
こちら
私はこれを見てちょっとびっくりでした、この時代のヨーロッパにサクラって生息してたのかぁ?ゴッホどこからこの枝持ってきたんだろう…。
とにかく私の浅ーい知識では、サクラは海外へはワシントンだかに最初に贈られ、その返礼としてハナミズキの苗木をもらったと記憶していて、しかもそれは割と近年でありゴッホの時代ではなかったんでは。
ゴッホは日本好きで有名だけど、どんな離れ技でこのつぼみを手に入れたんだろうって、気になって調べてみました。
まっ昨今はググるとなんでも出てきます、この絵はなんとサクラではなくアーモンドの花だったのです。
とにかくアーモンドとサクラの花はめっちゃ似てました。
以下まずアーモンドの花はこちら
そして我等がサクラがこちら
サクラの花の色の方が淡いですが、違う場所でそれぞれ見たら見分けがつきません。
見分け方は(以下ネットを引用)
桜の花には花柄(かへい)というものがあって、
アーモンドの花にはない(あるいは短い)のだそうです。
花柄がないアーモンドは樹から直接花が咲いているように見えます。
って事です。確かにサクラは針のような柄の先に花を咲かせていますね、一つ一つ勉強だと改めて思った次第であります。
ちなみに余談ではありますが、浮世絵(日本)がとても好きだったゴッホはフランスのアルルって所に日本のような世界観のユートピアを作るって夢を持ち、家を借り芸術家たちに呼びかけ共同生活を始めました、そこにはあのゴーギャンも来ました。でも芸術家同士すぐに対立してしまい、ゴッホはゴーギャンと大喧嘩してカミソリで彼を襲うのですが失敗し、その行動に後悔の念を抱いたのか、なんと自分で自分の耳を削ぎ落し、馴染みの娼婦のところに耳を持って行ったという、有名なエピソードがあります。
そんな激しい猟奇的とも言える行動の中に、この可愛らしい絵を描く内面もあるって事に、人間ってつくづく複雑で難しい生きモノだと思いました。
ただ、この日本のサクラに似たアーモンドの花の絵を描いた時のゴッホは、何を感じ、そしてその時間はどのように流れてたんだろう、と遠く思いを馳せてしまいます。
まぁこのアーモンドの花にはそんな事、知るよしも無かったでしょうけど。